海が鳴れば
尖った指で
暗闇の隙間を探した
折り曲げた両腕薄い関節が掻いて
零れる一瞬のまぼろし
緩やかに点滅する
焼きついて
心ととける
どこ
どこ
どこにあるの
現実の海
その一滴になって
青い瓶に
揺れる水
ああ
すでに海ではない 止まらない季節
欲しいものだけ
この手に掴めたなら
ゆっくりと辿る
体温の嗚咽さえ
慰めにならずに
望むかたちを
手放していく どこ
どこ
どこにあるの
軋む両腕から
生えた海鳴り
暗闇を遠く沈ませて
指にはかすか
温もりがあれば